近年、フォトウェディングを実施するカップルが増えています。「フォトウェディング動向調査2021」によると、18~49歳の既婚者89,839人のうち、2020年度に結婚したカップルの72%がフォトウェディング・前撮りを実施、または実施予定と回答。2019年度の同じ調査では実施率が67.3%だったので、やや増加傾向にあります。
昨今の結婚式の多様化にあわせて、今後ますます、フォトウェディングへの関心は高まっていきそうです。
そこで、フォトウェディングに関する疑問や費用、メリットや注意点についてまとめてみました。
フォトウェディングは、主に撮影スタジオで行うスタジオ撮影と、屋外や思い出の場所で行うロケーション撮影に分けられるため、どちらでフォトウェディングの撮影をするかによって費用が異なります。
「フォトウェディング動向調査2021」によると、平均予算は17万円、実際にかかった費用の平均は21万円で、検討予算と最終的にかかった費用の差は約4万円という結果に。申し込みの時点で、自分の希望が実現できるかしっかり確認しないと、結果的に高額になってしまいかねません。
一般的にスタジオ撮影のほうがリーズナブルで10万円前後でも可能です。
フォトウェディングの料金構成は、基本的に衣装代と撮影代で構成されています。そのため、基本料金だけではなく撮影データやアルバムなどもセットでついてくるわけではなく、それぞれの料金次第でトータルの価格は大きく変わります。
衣装であれば和装なのかドレスなのか、撮影場所もスタジオなのかロケーション撮影なのかで変動するため、相場を把握しておきましょう。
スタジオ撮影の場合、費用が10~15万未満で約25.2%、次いで5~10万円未満が19.5%となっており、半数近くのカップルが5万~15万円未満でスタジオ撮影を行っています。一方、30万円以上をかけているカップルは17.2%と個人差は大きいようです。
スタジオ撮影のプランに含まれるものは下記になります。あくまで一つの例になるのでスタジオによってプラン内容が異なります。
スタジオ撮影の場合、屋外ではないため、ロケーション撮影に比べて費用を抑えられるため、なるべく安く撮影したいカップルにおすすめです。
ロケーション撮影の場合、最も多いのがスタジオ撮影と同様に10万~15万円未満で全体の24.7%となっており、5万~10万円が15.8%です。30万円以上をかけるカップルは16.7%となっており、ロケーション撮影の場合、費用は幅広く分布しており、個人差があります。
プランに含まれるものの例は下記になります。
ロケーション撮影は、写真のクオリティや屋外の撮影となるため、若干価格が高めです。
フォトウェディングは状況によって撮影プランの費用にフォトウェディングの費用は、撮影カット数や衣装のグレード、データの受け渡し、アルバム製作の有無などで追加費用が発生します。比較的安価なプランだと、カット数が少なくなったり、選べる衣装が少なかったり、データの受け渡しがありません。オプションでカット数の追加や衣装のグレードアップ、データの購入も可能ですが、追加料金がかかってしまいます。
10万円以下のプランを契約したにもかかわらず、オプションをつけたことで当初の予算を超えてしまったという事態を避けるため、利用したいプランの詳細やオプション料金はしっかり確認しておきましょう。
フォトウェディングを行うカップルは増えていますが、比例して「こんなはずじゃなかった」「せっかく撮ったけどもう見たくない」といった後悔の声もあります。どうすれば失敗せずに済むでしょうか。
フォトウェディングは価格によって着られる衣装が決まっています。低価格なプランに目が行きがちですが、選べる衣装がわずかで、着たかった衣装を選べず、オプションで高くついたという声が多数。プランの中から選べる衣装に着たい衣装があるか確認しておきましょう。
「ヘアメイクをおまかせにしたらしっくりこなかった」「ソファに座ったカットが欲しかったけど、スタジオにソファがなかった」など、撮影が終わってから後悔しても撮影前に戻れません。ヘアメイクやポーズは事前にイメージを決めておき、スタジオやカメラマンへ参考になる写真があれば事前に渡して共有しておきましょう。「プロだから大丈夫」と言いなりになってしまうと後で痛い目にあうかもしれません。
衣装やヘアメイクにかかる費用のほかに、土日祝日の追加費用、データ納品枚数による価格の違い、写真の補正費用、悪天候時の順延の場合の費用、キャンセル料など、細かいですがしっかり確認しておかないと、予想以上の高額になってしまうかもしれません。最終的に提示された内訳に納得いかないものがあった場合、質問することも大切です。
希望をすべて盛り込むと費用は際限なく高くなってしまいます。予算内に収めるにはコツを押さえておくことが大切です。
できれば撮影は平日に行いましょう。土日祝日はスタジオにとって予約が多い日のため、料金が高くなる傾向にあります。一方、平日の場合、スタジオにも余裕があるため比較的安く撮影してくれるケースも少なくありません。
平日限定プランがあれば利用を検討してみるといいでしょう。
フォトウェディングでは色々な衣装を着たくなりますが、その分費用がかかるのは避けられません。衣装はできれば1着に絞りましょう。もっと安く済ませたければドレス1着です。和装は洋装よりも割高の傾向にあるので注意しましょう。
スタジオ撮影よりも高くなってしまいがちなロケーション撮影でも、ドレス1着に絞ることで、予算内に収められる可能性があるので、スタジオ撮影と比較してみるといいでしょう。
フォトウェディングの場合、夏や冬はやすくなる傾向にあります。特に寒さが厳しい1~2月、暑さの厳しい7~8月は、天候の影響により結婚式自体が少なくなるため、割引や特典を受けられるプランが多いのが特徴です。
スタジオ撮影だと暑さや寒さもあまり気にならないため、オフシーズンを選ぶのもいいでしょう。
フォトプランの内訳にアルバム作成が含まれていないなら、データを納品してもらって自分で作るという方法があります。データの持ち込みでアルバムを作成してくれるサービスはたくさんありますし、スマートフォンのアプリで作成することも可能です。データがあれば、結婚関連のイベントが終わってから経済的な余裕ができてからアルバムを作成する選択肢もあります。
撮影した写真の中から欲しいデータのみを購入すれば、全カット購入よりも安くなることがあります。撮影する写真を記念写真にすれば、厳選された1ポーズのみが納品されることになり、費用はかなり押さえられるでしょう。
過去にスタジオを利用したことのある友人や家族からの紹介の場合、やすくなる紹介キャンペーンを打ち出している会社があります。また、季節限定やイベントに合わせた限定キャンペーンで格安プランを提供しているスタジオは多く見られます。
こうした期間限定のキャンペーン情報をチェックして、費用を押さえましょう。
衣装小物やアクセサリー類をレンタルすると追加料金がかかる場合、ネット通販でお得に購入したり、手作りをしたりして持ち込むと節約になります。撮影小道具も、自前で持ち込むことでイメージ通りの写真を撮ることも可能です。
ただし、スタジオによっては持ち込み料金が発生する場合もあるので、注意したいところです。逆にお金がかかってしてしまうこともあるので、事前に持ち込み可否、持ち込み料の有無を確認しておきましょう。
フォトウェディングは安価で結婚式の思い出を残せるのが魅力ですが、費用を妥協すると、よい衣装やカメラマンに巡り合えない可能性があります。フォトウェディングのプランは数万円からありますが、高くても20万円程度です。高めのプランであっても結婚式や披露宴よりもはるかに安く済ませられます。格安プランであっても優れたカメラマンが撮影してくれるスタジオもありますが、やすさを重視するのはおすすめしません。
カメラマンで失敗しないために事前の打ち合わせは非常に重要です。イメージをしっかり伝えておくだけではなく、できれば雑誌やSNSなどに載っている写真から気に入ったものを見つけ、具体例を見せながら話をすすめましょう。カメラマンも口頭で伝えられるよりもイメージしやすくなります。
打ち合わせに撮影に参加するカメラマンが決定しているかどうかはスタジオによって異なるので、できれば打ち合わせ時点で担当カメラマンを決定し、同席してもらうといいでしょう。
撮影した写真はその場で確認可能です。もし気に入らない写真が多いようであれば、迷わず撮りなおしてもらいましょう。また、シミやしわの修正を依頼したい場合は、事前に可能かどうか、追加料金が必要かどうかを確認しておくとスムーズです。
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